●日本刀・刀剣につきまして。


◆第二次世界大戦後の日本刀。


●居合道

太平洋戦争(大東亜戦争)終結後、日本刀を武器であると見なした連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)により刀狩が行われ、蛍丸を始めとした数多くの刀が遺棄・散逸の憂き目にあいました。

また、「刀があるとGHQが金属探知機で探しに来る」との流言も飛び交い、土中に隠匿して、その結果刀を朽ちさせ駄目にしたり、回収基準の長さ以下になるように折って小刀(こがたな)としたり、日常生活に使えるよう鍛冶屋に持ち込み鉈や鎌、その他日常用の刃物に改造したりと日本刀の価値を貶めた例は枚挙に遑がありません。

GHQに没収された刀の多くは赤羽にあった米軍の倉庫に保管され、占領の解除と共に日本政府に返還されました。

しかし、元の所有者が殆ど不明のため、所有権は政府に移り、刀剣愛好家の間でこらの刀剣は「赤羽刀」と呼ばれています。

一時は日本刀そのものの存続が危ぶまれましたが、日本側の必死の努力により、登録制による所有が可能となりました。

日本刀自体には登録が義務付けられており、登録がなされていない刀は、警察に届け出た後審査を受ける必要があります。

所持(携帯、持ち歩き)に関しては銃刀法による制限を受けますが、所有(自宅に保管し眺めて楽しむこと)については許可などは必要なく、誰でも可能です(条例により18歳以下への販売を規制している所はある)。

なお、購入などの際には、登録証記載の各都道府県教育委員会への名義変更届が必要です。

今日では日本刀は武器ではなく、居合道・抜刀道といった武道用の道具、絵画や陶器と同格の美術品であり、その目的でのみ製作・所有が認められてます。

世界の刀剣の中でも日本刀は、美術品としての価値が高く、国宝、重要文化財、重要美術品に指定されたものもあります。

日本刀は独自の鍛錬による、さまざまな刀姿、刃文、帽子、茎形、銘を鑑賞する、いわば鉄の芸術品であり、その価値を知るには、特色をよく理解しなくてなりません。

日本刀の鑑賞の歴史は千年以上の歴史があり、名刀と言われる日本刀は、実際に武器として使われず、千年以上の時を経ても健全な形で残っていることも多い。

現代刀に関しては、刀匠1人当たり年に生産してよい本数の割り当てを決め、粗製濫造による作品の質の低下を防いでいます。

しかしその一方で、作刀需要が少ないため、一部の刀匠を除き多くの刀匠は本業(刀鍛冶)だけでは生活が難しく、かと言って上述の本数制限もあり無銘刀は作刀できず、武道家向けに数を多く安く作りその分稼ぐこともできないため、他の伝統工芸の職人と同じく数々の問題を抱えています。

そのような状況の中でも現代の刀匠も、美術品としての日本刀の作刀を、さまざまな形で現代に伝えています。

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