●掛け軸の歴史。
◆掛け軸の様式。
掛軸の様式は茶道と共に確立しました。
座って見上げるときに美しく見えるように寸法が定められており、床の間の大きさや畳の大きさを考慮して作られています。
一般に関東では「上一文字」の丈が「下一文字」の丈の2倍、「天」の丈が「地」の丈の2倍といったように、上部と下部の比率が2対1になっているが、関東よりも畳の大きな関西では、2対1よりも上部を若干短めに作られています。
表装の材質として紙あるいは、金襴、銀欄、緞子(どんす)、紗(しゃ)といった裂(きれ)が用いられます。
「一文字」と「風帯」は共裂(ともぎれ)が用いられ、「中廻し」(ちゅうまわし)には別の素材が用いられ変化をつけています。
通常、「一文字」に最上の素材が用いられ、ます。
これらの裂の取り合わせが画面を一層引き立てます。
●大和表具
上(天)・中廻し・下(地)の三段に分かれ、上には風帯という帯状のものを一対下げる。
最も一般的な様式です。
●文人表具、袋表具
大和表具の上下(天地)と風帯を略し、中廻しの上側と下側を伸ばした様式。